魯班尺とは、ろはんじゃく「風水尺」(ふうすいじゃく)とも呼ばれます。
その歴史は古く、魯班(ろはん)という人物が約2500年前に考案したものと言われております。
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魯班(ろはん)とは?
魯班(ろはん)は中国にて実在した人物と言われています。
紀元前507年の春秋時代、現在の山東省あたりに生まれました。
同じ時代、同じ地域には孔子がいたとも知られています。
魯班(ろはん)は、非常に建築に秀でた優秀な人で、現代でも「大工の神様」として親しまれるようです。
錐(きり)、鉋(かんな)等、様々な大工道具を発明し、その中の一つに長さを計る魯班尺(ろはんじゃく)があります。
魯班経
魯班の教えは、明代に「魯班経」という建築書に収められた。
魯班の持つ様々な逸話
Wikipediaより画像転載
魯班は、建築業界では神格化された人物であるが故、様々な逸話が残されています。
- 「西遊記」に登場する斉天大聖府を造った
- 魯班の没後の明代に、魯班の霊が現れて北京の龍聖殿造営工事を指揮した
- 龍聖殿に魯班が訪れたことを記念して廟が建てられた
- 木鳥を使って空を飛んだ
魯班尺
魯班尺は、物の大きさや長さにも吉凶があるとします。
長さの目盛りは上下2段で構成され、上段が「門公尺」、
下段が「丁蘭尺」と呼び、対象物によって使い分けます。
家の門の高さや幅は吉凶の明暗を分ける一つの要素となります。
高さにも幅にも長さがあり、それは数字で表されます。
数字に意味があり、高さや幅の数字同志を悪い相性にせず、良い相性にすることが吉を呼ぶという考えです。
このような関係があるので、長さをいちいち変換する手間を省くために物差しにしたというのが魯班尺のはじまりとなります。
門公尺(もんごうじゃく)唐尺(からじゃく)という別名もあります。
長さの吉凶示す8つの単位
魯班尺は約43㎝の物差しで、現代は巻き尺に改良されています。
約43㎝の中に5.4㎝の基本単位が8つ入ります。
財・病・離・義・官・劫・害・本
また、魯班尺には陽宅(住居等)と陰宅(お墓等)の2種類があり、長さの単位も異なります。
魯班尺の使い方
とくに重要視されるのが、門や玄関の幅。
門の長さが「病」であれば凶となり、財産を失う憂いがあるので、門の幅を広げたり狭めて吉の幅になるようにと調整する。
家の中にも、扉、テーブル、ベッド タンスなどの家具まで使用できます。
魯班尺のミソは、使う場所によって吉凶を使い分けること
魯班尺はわずか8つの単位の使い分けをするものですが、そう単純なものではないんです。
一概に「吉の寸法を使えば良い」、「凶の寸法は使わないように」というのは間違っています。
吉凶の性質は、用途によって使い分ける必要があります。
ここが風水的な考え方のミソとなります。
門や玄関等陽氣を入れたいところには吉寸法を選びますが、トイレや浴室など陰氣を納めるべき場所には吉寸法を選べば凶に転ずるとされています。
吉寸法「財・義・官・本」
魯班尺の吉「財」の意味、使い方
- 財徳 財運がアップする
- 宝庫
- 六合 財を得る
- 迎福 福に恵まれる
吉の象意あり。
この寸法で門や玄関を作ると財運を招きます。
屋外の氣が通ずる場所には特にこの財寸法を選びたいですね。
魯班尺の吉「義」の意味、使い方
- 添丁 家族が増え繁栄する
- 益利 利益を得る
- 貴子 優れた子を得る
- 大吉 すべてが順調にゆく
ベッドルームのドアには、この「義」の寸法を使えば貴子(優れた子供)を授かると言われています。
魯班尺の吉「官」の意味、使い方
- 順科 試験で優秀な成績を得る
- 横財 労せず思わぬ財が入る
- 進益 財運がとてもよい
- 富貴 名誉と財を得る
家中のドアをこの寸法にすると、学業の進展、昇進するなどの福を招くことができ、想定外の臨時収入を得ることも。
「官」は屋内に使うことが良く、屋外の氣に通ずる門や玄関に使用すれば訴訟、人間関係の揉め事を招くと言われています。
魯班尺の吉「本」の意味、使い方
- 財宝 財を得る
- 登科 試験に合格する
- 進宝 くじ運が強く財を得る
- 興旺 家運が興隆し、旺盛になる
すべての門や入り口、開口部に使うと幸運を招くことができる。
屋内・屋外を問わず使用することができる。
凶寸法「病・離・劫・害」
魯班尺の凶「病」の意味、使い方
- 退財 財が減少する
- 公事 訴訟、裁判がある
- 牢執 牢屋に入る
- 孤寡 未亡人となる
魯班尺の凶「離」の意味、使い方
- 長庫 離別する
- 劫財 財を奪われる
- 官鬼 霊障が起こる
- 失脱 物を亡くす
魯班尺の凶「劫」の意味、使い方
- 死別 家族が早死する
- 退口 撤退する
- 離郷 故郷を離れる
- 財失 財を失う
魯班尺の凶「害」の意味、使い方
- 災至 意外な災難に遭う
- 死絶 家族が重病になる
- 病臨 病気を寄せ付ける
- 口舌 口の災いや噂などのトラブル
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